Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)/LED ZEPPELIN IV SESSIONS 【2CD】

フォーマット:2CD
コンディション(ジャケット/盤):NW/NW
備考:

ツェッペリンのアルバム中、セールス的に最も成功を収めた4枚目のアルバムのセッション音源を収録している。レコーディングはローリングストーンズのモバイル・スタジオで行なわれ、時間や費用を考慮することなくレコーディングに専念できたのみならず、その独特なサウンドをペイジは殊の外気に入ったと伝えられる。録音は1970年の年末から1971年の春頃にかけて集中的に行なわれ、1971年の11月にリリースされている。以下「テイク」というのは本作のトラックに準拠し、実際のスタジオの呼称における「テイク」とは異なる点を留意して読んでいただきたい。

【BLACK DOG】
ここでは4テイク収録されている。最初の2つのテイクはアコースティック・ギターにてリフを完成させていく過程を知る事が出来る。基本的にあのお馴染みのリフの繰り返しなのだが、ペイジが足でリズムをとりつつ練り上げていくのがわかる。テイク3以降は全員揃ってのスタジオにおけるセッション音源である。基本的な形は決まっているものの曲はまだ未完成の状態で、プラントは軽く歌入れしバンドがそれに合わせて演奏を固めているようだ。曲は著しく未完成ながらミドル・パートも視野に入れて試行錯誤しているのが伺い知れる。

【GUITAR & PIANO IMPROVISATION】
アコースティックとキーボードによる即興演奏である。即興でありながら、きちんとしたメロディがあり、このような即興演奏から曲が出来ていくのだろうことが伺える。印象的なメロディで曲調も美しく、ここから発展するとどのような名曲が生まれただろうかと想像するのも一興であろう。後にエレクトリック・アレンジに変貌した前述の「BLACK DOG」のテイク1と2とは異なり、このままアコギ・アレンジのままの方が活きる、そんな雰囲気を持つ曲である。

【STAIRWAY TO HEAVEN】
途中ギターのインプロ・テイクを挟み、計7テイク収録されている。テイク1はアコギとエレピによるもの。リリース・テイクには含まれないピッキング手法が採り入れられていたり、最終的に割愛されたメロディが含まれているなど非常に興味深いものである。しかも途中で再びイントロ・メロディにループするなど、最初期の「天国への階段」である。テイク2は曲がまさに階段を昇っていくような期待感を煽るミドル部分からの演奏である。ここでもまだアコギとエレピのみの演奏である。バックで話声が聞こえるが、声の主は演奏に参加していないプラントとボンゾであろう。短いながら曲がギターソロへ向かう直前のリフも奏でられる。そしてテイク3はその後半部分である。ペイジが「たらら〜」と口で説明しているのがわかる。アコギによる演奏なのでギター・ソロは含まれていないが、曲の後半をどのようにするか、それを試行錯誤している様子が克明に収録されている。そしてテイク4はいよいよ曲の構成が完成しつつある、前半と後半の繋ぎ目の部分である。この時点でほぼ基本的な部分は完成したと言えるだろう。テイク5からは実際の歌入れである。聴けばわかるが、この曲はメロディと曲構成が先行して作られたようで、歌詞は本当に未完成でプラントの歌も途切れがちで、ところどころハミングで流したり、リリース・バージョンとは異なる歌詞で歌っているのが耳目を引く。テイク6はかなり曲が進化しているが、それでもまだ未完成の域を出ないものである。特に歌詞は全く別物で、幾分収まりの悪さが目に付く。また間奏部分でギターが奏でるメロディにまで未発表の歌詞を乗せており、この曲の制作過程のひとつとして興味深い。しかしこのような未完成でも曲の美しさは隠すことが出来ず、聴き入ってしまう魅力がある。テイク7は聴き慣れたあの歌詞で、まさに完成目前のリハーサル・テイクという趣である。面白いのはギターソロへのブリッジ部分で過剰なギターが加えられている点であろう。最終的にカットされたのは当然だが、不自然に前面に出てくるギター音に驚かされる。

【THE BATTLE OF EVERMORE】
この曲はアルバムの雰囲気を決定づけるケルティックがメロディが美しいデュエット曲である。テイク1とテイク2はプラントの独唱で、リリース・バージョンではサンディー・デニーのパートだった部分もプラントが歌っている。テイク3はそのサンディーも参加してほぼリリース・バージョンに近いが、演奏トラックなので全体的にほぼカラオケ状態である。テイク5は逆にヴォーカルが前面に出たミックスで、まるで呪いの儀式のようなプラントとサンディーの絶妙な掛け合いが眼前で繰り広げられる。テイク6とテク7になると、ほとんど完成と同じである。複雑なヴォーカル構成を持つ曲なので、こうして何度もリハーサルが繰り返されたのだろう。

【FOUR STICKS】
ここでは2テイク収録されている。かなり騒がしく慌ただしい曲である。テイク1はリズムトラックにギターを重ねているテイクである。ヴォーカルはまだ重ねられていない。スタジオでのディスカッションから収録されているテイク2は、あの印象的なサンバのようなリズムを刻む様子から収録されている。カウントを入れているのはペイジ。プラントが必死で歌っているのがよくわかるテイクである。

【WHEN THE LEVEE BREAKS】
ブルースの既発曲をツェッペリン風にアレンジしたカバー曲である。原曲は1929年に発表された古い曲でプラントの趣味が反映されての採用だったのだろう。最初のテイクはヴォーカルにエコーがかけられておらず、実に生々しい状態で収録されている。曲は完成している状態のものである。テイク2はフェイドアウトせずに実に不思議なエンディングが加えられている。

【LED ZEPPELIN IV SESSIONS】
本作はツェッペリンの4枚目のアルバムに関して残存が確認されている全てのセッション音源を収録している。ライヴ・ステージにおいて様々なアプローチを見せてくれるツェッペリンであるが、そのステージでの演奏を支えているのが、このように熟考を重ねて作り上げられたスタジオ録音である。今でもロックのクラシクスとして知られている楽曲の制作過程を垣間見る貴重な音源である。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。

DISC ONE
01. Black Dog #1
02. Black Dog #2
03. Black Dog #3
04. Black Dog #4
05. guitar & piano improvisation
06. Stairway To Heaven #1
07. Stairway To Heaven #2
08. Stairway To Heaven #3
09. Stairway To Heaven #4
10. guitar improvisation
11. Stairway To Heaven #5
12. Stairway To Heaven #6
13. Stairway To Heaven #7

DISC TWO
01. The Battle Of Evermore #1
02. The Battle Of Evermore #2
03. The Battle Of Evermore #3
04. The Battle Of Evermore #4
05. The Battle Of Evermore #5
06. The Battle Of Evermore #6
07. Four Sticks #1
08. Four Sticks #2
09. When The Levee Breaks #1
10. When The Levee Breaks #2

販売価格 4,500円(税込)
型番 WENDY/WECD-314/315

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