フォーマット:2CD
コンディション(ジャケット/盤):NW/NW
備考:
アルバム『HOW I WON THE WEST』は素晴らしいものであった。1972年の日本公演があまり良い出来ではなく、以降ロバートが歌唱法を変えて凌ぐスタイルになる直前の、これぞツェッペリンである魅力が存分に感じられるものであった。このアルバムは1972年6月25日ロサンゼルス公演と6月27日ロングビーチ公演の2公演から編集されて作られていることが知られている。ロングビーチは部分的にサウンドボード音源が流出していたため、その存在は知られていたが、『BURN LIKE A CANDLE』というタイトルで高音質のオーディエンスがあるロサンゼルス公演までサウンドボード音源があるとは、マニアには驚きをもって迎えられたものである。
かねてからジミーが監修したレッド・ツェッペリン編年体形式のライヴ・アルバムが噂されているが、いまだ実現していない。一説によるとロバートが難色を示しているとのことである。なるほど楽器と異なりロバートの歌唱は出来不出来の波があり、かつ1973年以降は前述のように衰えをフォローする歌唱に変えている、それを一期一会のライヴでならともかく、作品として残すのには抵抗があるのであろう。そんな自分の歌唱に拘りがあるロバートも許可したライヴ・アルバムが『HOW I WON THE WEST』であると言える。実際にこのアルバムで聴くことが出来るツェッペリンは非の打ち所がない。
そして本作は、この一連のツアーの中から、『HOW I WON THE WEST』がレコーディングされたまさに三日前の演奏、1972年6月22日サンバーナーディーノ公演を完全収録している。この日とロス公演の間にはサンディエゴ公演があるのだが、オーディエンス/サウンドボードいずれも未発掘で、我々ファンが聴くことが出来る最も直近のライヴが本作である。そして後にライヴ・アルバムとしてリリースされる公演の近似日程ということもあって、1972年にして白眉の素晴らしいパフォーマンスを確認することが出来る。
オープニングは『HOW I WON THE WEST』では「LA DRONE」とクレジットされた、ボワァ〜ンという会場SEである。会場の喧騒をバックに期待感あふるる効果音で、おそらくこの間にメンバーがステージに登場するのであろう、途中で会場が沸いているのが聴きとれる。そして耳をつんざくかのように始まるのが1曲目「移民の歌」である。このツアーを最後に次の日本公演からオープニング・ナンバーは「ロックン・ロール」になるので、3年あまり慣れ親しんだ「移民の歌」から「ハートブレーカー」に繋がる黄金のオープニング・メドレーはこれが最後のツアーとなる。それにしても10月の日本公演との違いは顕著で、同じバンドが数か月でこれほど変わるのかというくらいの素晴らしいパフォーマンスである。
ツェッペリンにとって4thアルバムは自信作であったろうが、前年の11月にリリースされたばかりで、聴衆の反応に対しまだ評価が定まっていないと判断したのであろう、後にコンサートのハイライトとなる「天国への階段」は中盤で演奏され、のちにオープニング・ナンバーとなる「ロックンロール」はアンコールの最後に位置する。また「カリフォルニア」はアコースティック・セットに組み込まれている。こうしてセットリストを見ると、後世においてツェッペリン・クラシクスとなるナンバーがこの時点で既に揃っており、まさにベストなものであると言える。
本作はオリジナルのマスター・リールをカセットに落とした、そのカセットが元となっている。そのため現段階で考えうる最長のものとなっている。特に単一ソースで完全収録というのが素晴らしい。音質も、名盤と誉れ高い『BURN LIKE A CANDLE』と比べて遜色なく、まさにロングビーチ、ロサンゼルス、そして本作サンバーナーディーノと三部作と括るに相応しい、もうひとつのライヴ・アルバムと言える。これもまた、マニアにとっては宝物のような音源である。1972年6月22日サンバーナーディーノ公演を高音質にて完全収録。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。
販売価格 |
6,000円(税込)
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型番 |
WENDY/WECD-260/261 |