The Beatles(ビートルズ)/ABBEY ROAD SESSIONS 【4CD】

フォーマット:4CD
コンディション(ジャケット/盤):NW/NW
備考:
ビートルズのアルバムごとにアウトテイクや別ミックスなどを網羅するセッションズシリーズの最新作は、いよいよ最後にレコーディングsされた『アビーロード』になります。リリースは『レット・イット・ビー』の方が後になりますが、険悪なセッションの後、メンバーがジョージ・マーティンに頭を下げ、再度プロデュースを依頼して作られたのが世紀の名盤『アビーロード』。メンバーそれぞれ、これがビートルズとして最後のアルバムになるという予感みたいなものを感じつつのレコーディングは、結果として歴史的な名盤の誉高いものとなりました。ジョンとポール、そしてジョージがそれぞれの特色豊かな才能を惜しみなく発揮し、これ以上ない珠玉の傑作となったのです。本作は、初登場音源を含み、その『アビーロード』のレコーディング・セッションの全貌を収録した画期的なタイトルとなることでしょう。

基本的にアルバム収録曲順に沿って編集がなされており、ディスク1のオープニングは「Come Together」になります。ジョンのヴォーカルがめちゃくちゃ迫力あるtake 4 、声色を変えて試行錯誤している様子が非常に興味深いものです。ジョンは自分の声を気に入らないとして、様々な歌い回し、声色、加工を試みていたと伝えられますが、その一端が伺えます。「Something」はアセテート音源よりデモ・テイクから、徐々に曲が仕上がっていく様子が詳細に記録されています。「Maxwell’s Silver Hammer」はイントロ付のテイク、演奏前にピアノで遊ぶ様子、イントロに入りかけて一端取りやめ、リンゴが何度も同じドラム・フレーズを繰り返している様子などが収録されています。「Oh Darling」のtake 26オーヴァーダブは、何度も歌入れをしたためか、ポールの声がすっかりかすれていて、サビの部分に至っては裏声になっているのが笑えます。

続いてディスク2です。リンゴのドタバタするドラムの「Octopus’s Garden」はいかにも仮の歌入れという感じで、あの印象的なコーラスが入らず、リンゴのシングルトラックによる独唱。演奏前にリンゴの笑い声の後ろでジョージがギターを練習している様子も収録されており、クレジットは4人連名ながら、この曲がジョージ主導で作られたというのがわかります。「Here Comes The Sun」はtake 1はベースやドラムがアコースティック・ギターに絡み、清々しい美しさが際立ちます。曲に取り掛かるまでチューニングを含めかなり時間をかけています。そして興味深いのは、リリース・バージョンには含まれなかったものの、実際のレコーディングではエレクトリック・ギターによるソロが加えられていた、その音です。ジョージ・マーティンとダーニがスタジオでマルチトラックを聴いている音源なのですが、オーケストレーションに被る形で、印象ががらりと変わるエレクトリック・ギターの音、さらにエレピの甲高い音までも含まれています。もしこれが採用されていたら、曲はまた違ったものになったでしょう。そもそも『アビーロード』というアルバムは過去のアルバムに比べてギターが非常に前面に出ている点、従来のビートルズのアルバムとは毛色が異なるアルバムで、そこはジョージの2曲「Something」と「Here Comes The Sun」が大きな貢献をしているといえるでしょう。「You Never Give Me Your Money」はメドレーに繋げられる前段階のもので、終わりが決まっておらず、ギターとピアノによる即興演奏が延々続くバージョンが興味深いところ。いつ終わるとも果てない演奏は、まるでジャズを聴いているようです。

 ディスク3は、いよいよ、アルバムのハイライト、B面のメドレーに入ります。まだメドレーとして繋がっていない段階で、それぞれの曲を仕上げていく様子が非常にスリリング。あの完成度の高いB面も、やはり今まで通りのやり方で作られていた事、「Polythene Pam」と「She Came In Through The Bathroom Window」は2曲とはいえ、元々から一緒にレコーディングされたもので、ジョンとポールがお互い指示を出し合っているスタジオの様子も収録されています。あのゲットバックセッションでの雰囲気との違いは明らかで、協力して作品を仕上げよう、ビートルズ最後の作品として相応しいクオリティのものを、という熱意を感じさせられます。 そしてメドレーのフィナーレ「Golden Slumbers」「Carry That Weight」「The End」の3曲の美しすぎるメドレーに入ります。ポールのピアノが怪しい初期テイクは、オフマイクでポールのヴォーカルが薄らと聴こえてきます。興味深いのは「The End」のtake 7で、例の聴き慣れたギターソロは、実際にはもっと長く、ここで聴くことの出来るのは、さらに冒頭の部分が長いもの。誰の手によるものかは不明ですが、初めて聴いたときにはかなり驚きでした。「Her Majesty」は元々メドレーの中に組み込まれていたということがマークルイソンの著書により明らかになっていますが、ここではその「Her Majesty」を含むメドレーが収録されています。最後にディスク4は、アルバムには収録されなかったものの、同時期にレコーディングされた楽曲のアウトテイク等が収録されています。

 名盤『アビーロード』のセッションをたっぷり4枚組に渡って網羅したシリーズ最新作。ピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤です。

 ファースト・アルバムから続いたアルバム毎のセッション・シリーズも、アルバム単位では本作が最後になります。質、量、共に、ここまで徹底したシリーズは今まで皆無でした。それぞれのタイトルでは、同時期にレコーディングされたものの、シングルのみでアルバムに未収録の曲も収録されてきましたが、それでも漏れた楽曲に関しては、EXTRAとして次のリリースがなされるそうです。わずか9年間の活動の中で、その時々のレコーディング技術の粋を集めたビートルズの作品群にあって、本シリーズが研究家の一助になることを切に願っております。

DISC ONE
COME TOGETHER
01. take 1 stereo
02. take 4 partia l+ take 5 announcement mono
03. unknown take i mono
04. unknown take ii + iii mono
05. record producers stereo
06. rock band mix stereo

SOMETHING
07.take 1 v1 acetate mono
08. take 1 v2 mono
09. take 1 v3 stereo
10. unknown takes i - iii mono
11. unknown take iv miono
12. take 37 mono
13. RS from take 39 video mix stereo
14. RS from take 39 dvd mix v1 stereo
15. take 39 monitor mix 1 stereo
16. take 39 monitor mix 2 stereo
17. RS from take 39 dvd mix v2 stereo
18. rock band mix stereo

MAXWELL’S SILVER HAMMER
19. take 5 stereo
20. take 8 partial stereo
21. take 21 mono
22. rock band mix stereo

OH DARLING
23. Get Back Session 27.56 stereo
24. take 26 mono
25. unknown take stereo
26. vocal overdub session 1 mono
27. vocal overdub session 2 mono
28. vocal overdub session 3 mono
29. vocal overdub session 4 mono
30. vocal overdub session 5 mono

DISC TWO
OH DARLING
01. vocal overdub + take 26 stereo
02. rock band mix stereo

OCTOPUS’S GARDEN
03. take 2 stereo
04. unknown takes stereo mono
05. take 32 mono
06. take 10 vocal only mono
07. take 10 stereo
08. rock band mix stereo

I WANT YOU
09. Edit of Takes 9,20,32 stereo
10. instlmental stereo
11. rock band mix stereo

HERE COMES THE SUN
12. take 1 partial mono
13. multi-track playback unused solo mono
14. RS from take 15 stereo
15. rock band mix stereo

BECAUSE
16. unknown take stereo
17. take16 vocals only v1 stereo
18. take16 vocals only v2 stereo
19. take16 half vocals only stereo
20. rock band mix stereo

YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY
21. take 30 mono
22. unknown take mono
23. rock band mix stereo

DISC THREE
SUN KING - MEAN MR.MUSTARD
01. unknown take mono
02. rock band mix stereo

POLYTHENE PAM
- SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW
03. unknown take mono
04. unknown take mono
05. takes 1+2 partial stereo
06. rock band mix stereo
07. Get Back Session21.78 steteo

GOLDEN SLUMBER - CARRY THAT WEIGHT - THE END
08. take1 monirtor mix mono
09. unknown take stereo
10. take 13 + 15 stereo
11. take 13 + 15 mono
12. rock band mix stereo

THE END
13. take 7 mono
14. take 7 stereo
15. rock band mix stereo

HER MAJESTY
16. unknown take mono
17. take 3 pre overdub stereo
18. take 3 mono
19. rock band mix stereo

HUGE MEDLEY
20. part 1 RS2? v1 Mono
21. part 1 RS2? V2 Mono
22. part 2 RS2? Mono
23. rock band mix stereo

DISC FOUR
THE BALLAD OF JOHN & YOKO
01. take 10 partial mono
02. take 10 apple acetate stereo
03. take 10 New Zealand Censored mix stereo
04. take 10 EMI censored video version v1 mono
05. take 10 EMI censored video version v2 mono
06. take 10 Australia single mix mono
07. take 10 ealy fade out stereo
08. take 10 video mix v1 stereo
09. take 10 video mix v2 stereo
10. take 10 video mix v3 stereo
11. take 10 dvd mix stereo

OLD BROWN SHOE
12. take 2 v1 stereo
13. take 2 v2 stereo
14. take 4 Australia single mix mono

ALL THINGS MUST PASS
15. take 2 v1 stereo
16. take 2 v2 stereo

COME AND GET IT
17. take 1 monitor mix mono
18. take 1 1!2!3!4! Mix fake stereo
19. take1 Barrett tape mix stereo
20. take1 sessions mix fake stereo
21. take1 anthology mix fake stereo

AIN’T SHE SWEET
22. unknown take stereo

BONUS TRACKS
23. Come Together (Naked Mix)
24. Maxwell’s Silver Hammer (Naked Mix)
25. Octopus’s Garden (Solo Vocal Mix)
26. Because (Take 3)
販売価格 5,000円(税込)
型番 secret garden/SGCD-50-53

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